お疲れ様です。こにしきです。
前回宣言したのち、無事1冊読了。
まともに読書したのは久々です。
では1冊目。
芦沢央『火のないところに煙は』
内容は、主人公であるオカルトライターが知人から聞いたり投書で受け取った怪異の話(主に霊現象の話)を時系列で綴って短編集にしていくドキュメンタリー…という体の物語です。
(フェイクドキュメンタリーっていうみたいですね)
著者はもともとミステリー作家ということで、身の毛もよだつような得体の知れない話というよりは、怪異の仕業のようで実は人間も関わって(利用して)いたり、悩みや嫉妬が事象を複雑にしているような話もあり、ミステリーとホラーを混ぜ合わせたような感触。しかも、最終話を読み終えないと真の恐ろしさを味わえない構造となっています。
各話で、主人公が「これは私の思い込みで、真相は違うんじゃないか?」「表層が見えているだけで真実はもっと根深いのでは?」と思いを巡らす場面があります。そしてそこから推測される真実(と思われる主人公の考え)が、実際にありえそうな…いややっぱりありえなさそうな…? という感じのモヤモヤしたオチをつけています。
そして、最終話を読んだ時に各話に散りばめられていた、なんてことのないキーワードや証言が一本に繋がり、一連の物語の結末(であろう主人公の考え。これ大事)が見えてきます。そしてそれを読み終えた読者に”とある不安の種”を残したところでこの小説は終わります。
全編通して印象に残っているエピソードは、印刷業会に勤める女性が、自らが手がけた印刷物にだけ現れる得体の知れないシミに悩ませられるという話です。印刷物のシミ…嫌いな言葉です(笑)
ちなみに、このシミもこの本の結末の伏線となります。
さまざまな経緯で主人公の元へ集まってくる怪異の体験談。当事者との対話と編纂作業を繰り返していく中でひとつの結末にたどり着く…しかし、その結末が正しいのかどうかは主人公も読者もわからない。
「あやまれあやまれあやまれ」
「その占い師はどこにでもいるような姿で…」
「寄り添ってはいけません。縁をつくってしまいます」
「彼女には、見えていたのではないか」
「全ての怪異の裏に何かが…」
「未だ連絡はついていない」
ビシッとした結末や種明かしが欲しい人にはあまり向かない小説ですが、なんとも言えないイヤな読後感を求める人にはうってつけの一冊だと思います。
目先の情報を鵜呑みにして一つの思い込みに囚われてしまうと真実が見えない一冊でした。

本って読み始めると一気に進むんですが、読むまでがなかなかハードル高いんですよね。
それにしても、3週間で6冊はすごいペースです!
最近あまり本を読んでいません。
m16さんの3週間で6冊、凄いですね。
読書の秋ということで、私はここ3週間で6冊読みました。