今年の仕事のピークも過ぎたみたいで気分的にも余裕が出来てきたので、先日入手したCsI(Tl)のクリスタルを使ってガンマ線検出用のプローブを作ってみました。
CsI(Tl)のクリスタルです。潮解性があるのでビニール手袋をして扱います。まるで飴のようで舐めてしまいそうですが、Tl(タリウム)を含んでいますので危険です。
PMT(光電子増倍管)のヘッドに光学グリスを塗りたくります。
光学グリスを塗ったPMTにクリスタルを押し付け引っ付けます。そこにテフロンテープを巻いて仕上げにビニールテープを巻いて遮光します。
コスト削減のため塩ビ管を使いました。そのままではシールド効果はないので、薄いアルミ板を丸めて中に入れてあります。
クリスタルとPMTを衝撃から保護するため、緩衝材を詰め込んでいます。
PMTからのケーブルの被覆を剥きます。
BNCコネクタに芯線をハンダ付けします。
蓋にBNCコネクタを固定した後、BNCのアース端子にケーブルのシールド線をハンダ付けします。
シールド用のアルミ板に穴を開けてアース線をボルトで固定します。
最終的にこんな形になりました。
で、測定結果はこんな感じ。測定サンプルは岩手県産汚泥+カリウム試薬(K40)。エネルギー校正をしていませんので、スペクトルの位置はズレてます。
Cs134とCs137の双子の山の間の谷がクッキリと出ています。何の工夫もしていませんが、NaI(Tl)と比べるとやはり分解能が高いようです。
ノイズ対策とCsI(Tl)用に回路を最適化すれば、もっと性能向上するんではないでしょうか。