ガイガーカウンターミーティングを後にして向かったのが、福島県南相馬市。
この町は福島県の浜通りにあり、ニュースでも流れていると思いますが、市の一部が福島第一原発から20km圏内に当たる場所です。
放射線量が高いことが容易に想像できるであろうこの場所に何しに行ったかといえば、ひまわりの種を蒔きに行ったのです。
何でひまわりかというと、ひまわりには土壌の放射性物質を吸い取って蓄積する能力があるそうです。チェルノブイリでの原子力災害で汚染された土壌では効果があったそうなので、今回試験的に日本に導入してみて、どの程度効果があるのか実験してみようというのがこのイベントの趣旨です。日本初な訳です。
秋葉原を出てから下道を走って浦和ICから東北道に入り、ひたすら北上。二本松ICを出たときには午後7時になっていました。
ここから南相馬市までは下道です。途中、高濃度汚染で計画的避難地区になった飯舘村を通ります。通らないと遠回りになるからです。
薄暗くなった地方道を東に進み、川俣町から飯舘村の境の峠を越した途端、線量がいきなり1uSv/hを超えアラームがなり始めました(閾値を1uSv/hに設定してあったので)。川俣町は0.3uSv/h程でしたので、急激な上昇にビビリました。
その後、村の中心地辺りで2.7uSv/hを記録。この線量だと1年で20mSvを軽く超えますね。
村の中の家は明かりが灯っておらず集団避難した後のようです。
無駄に被曝したくないので走り抜けました。
南相馬市に入っても1.5uSv/h程の線量です。高過ぎますね。この線量の中では車中泊したくありません。
しばらく走ると山間部を抜け、平野部に出てきました。この辺りだと0.3uSv/h。
寝るときだけは原発から少しでも離れていたいので、相馬市まで走って、道の駅相馬で車中泊。この辺りでは0.25uSv/h。所沢では0.08uSv/hくらいなので、これでも高いくらいです。
6月12日、日曜日。
午前9時30分に馬場公会堂という所で集合です。ちょっと迷いましたが無事到着。この辺りの線量は0.8uSv/h。地面付近は1.2uSv/hくらいになります。
ここに来る道すがら放棄された水田や畑をたくさん見かけました。どうやら耕作を禁止されているようです。30km圏内ということだからでしょうか。この場所より高線量の地域で稲作が行われているのを見ていますので、その辺りの基準はどうなっているのでしょうね。
参加者は日曜日ってこともあり10数人くらいでしたが、昨日は40名ほどの参加があったそうです。
簡単な説明の後、マイクロバスに乗って最初の田んぼへ向かいます。
田んぼの面積が人数の割には広くはなかったので、ものの30分ほどで終了しました。
背後にある丘から向こうは30km圏内の立ち入り禁止区域です。
20km圏内の検問所です。ここから先は一般人は入れません。
この辺りの空間線量は1uSv/h程あります。地面付近(水溜り付近)は5uSv/hを越えてきます。あまり近寄りたくはない線量です。
1時間の昼休憩の後、津波の被害があった地域を巡り、次の畑に向かいました。
国道6号線脇に未だに漁船が転がっています。津波はこの国道を越えて500mほど先の谷間まで進んでいったそうです。手前は空き地に見えますが田んぼです。土砂が堆積してしまったようです。
ここの畑は広大でしたが、それなりの人数でしたので、あっけなく終了。
次回は種が実った頃に刈り取りのボランティアを募集するそうです。そのまま朽ち果てるまで放置したら、放射性物質が土壌に戻ってしまいますからね。
ちなみに刈り取ったひまわりは東電が引き取るまで保管するそうです。
午後4時に出発し、所沢に着いたのは午後9時。眠い目を擦りながら走り続けました。
この24時間の積算被曝量は約10uSv。高線量地域は走り抜けることが多かったので、思っていたほどの被曝ではありませんでした。所沢の24時間の積算被曝量の6倍くらいでしょうかね。
ここでは書きませんが、地元の人ならではの原子炉爆発時のリアルな話をたくさん聞けました。今後起こり得るか分かりませんが、自分の身に降りかかったときに生存するためにどうすれば良いかを判断する情報として非常に有益な経験を得ることが出来ました。
※ここでの計測値は全てEcotest社製 TERRA MKS-05での表示値です。絶対値はこの限りではありません。参考値として読んでください。
※これを読んで興味を持った方へ。
文章では簡単に書いていますが、この地域は放射性物質による汚染地域です。ここに入るにはそれなりの装備と覚悟が必要になると思います。「ただちに」健康に影響は出ませんが未来の保証はありません。写真を見ると参加者の方々はマスクもせず土いじりされていますが、セシウムにそれなりに汚染された土壌です。自分は無駄な内部被曝を避けるためN95マスクをして参加しています。
自分の身は自分で守る完全自己責任の世界です。興味本位だけで行くと後の代償が高くつくかもしれません。そこのところ、よろしくお願いします。