今何冊目? 【6冊目】

お疲れ様です。
東北営業所のこにしきです。

私事ですが、この年末年始、けっこう増量してしまいました。世の中は美味しいもので溢れすぎている。遺憾。

私は伊達巻きが好きで、毎年新年を迎えるたびに何種類も買っては食べ比べています。欲を言うと、年間通していただきたいのですが、正月前後でしか入手できないのが悩みです。

とにかく、春が来る前に生活習慣を戻して体型の復旧に努めます…

さて、細々と続いている本の話です。

6冊目 米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

・身内に不幸がありまして
権力者の屋敷に住まう使用人とお嬢様の話。使用人の手記による独白の後、お嬢様がことの顛末を語るという二部構成。
後半の1行目であっさりと種明かし。

・北の館の罪人
妾の子が実の父の屋敷に転がり込む話。
結末も好きだし、最後に主人公が言われる言葉が最高。「あまりさんは、紫の手袋をしているのね。」うーん悪人。

・山荘秘聞
自分の管理する邸宅に誰かを招きたくて仕方がない、自分勝手な管理人のお話。
招くためにはどんな手段も厭わない。おっと、ちょうど良いエサが…

・玉野五十鈴の誉れ
厳しい家庭に育つ跡取りの娘と使用人の話。将来を期待されていたはずが、様々な苦難と惨い仕打ちを受ける。ただ最後の最後に一筋の光が差す話。この1冊の中で一番好きな話。最後の行の「始めちょろちょろ、中ぱっぱ---」の一文を読むと、”玉野はやはり…”と思う。

・儚い羊たちの祝宴
これまでの話のなかで登場した「バベルの会」。その会に加わったものの、除名されてしまった女子生徒が主人公。新たに雇った屋敷付きの料理人。主人公はその料理人を利用してとある企てを…。
文中に出てくる「メデューズ号の筏」、「アミルスタン羊」など、僕は知りませんでしたが、アッそういう意味なんですね…

特に北の館の罪人と、玉野五十鈴の誉れが好きですね。

北の館の罪人は、途中までは、晴れやかなエンドを迎えるのかな?と思わせておいて、性悪な主人公がいい味出してますし、最後のセリフでオチがつくのもいいです。

玉野五十鈴の誉れは、結局玉野の本心は明かされず、主人公目線から見た玉野という人間性が描かれるので、読者がその曖昧な部分を好きに解釈できるところが好きです。玉野は主人公に一途に仕え続けていたに違いない。多分。

と言う事で、6冊目でした。

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