震災から一年、5つの「K」


その日は、中国にいた。
ホテルで日本の震災のニュースを見て、何度も電話をしたが繋がらず、やっと繋がって、安堵した。
しかし、帰国後、原発の問題から、被害の大きさが明るみになるに従って、居たたまりのない思いと不安に駆られる。

弊社の関東営業所では、北海道勢(殆どが北海道より出向)の者達も、地震の体験が少なく、初めての大事に、戸惑いとパニックに陥る。

家族が居ない…会社が流された…従業員が居ない…数々のニュースや情報の炸裂にて私自身も尋常では無い思考に陥る。

営業所の増設、本社の移転と大きく投資をしたばかりかもしれないが、このまま会社は続けられるのだろうか?個人補償の借入はどうなるのか?従業員はどうなるのか? 曲がりなりにも経営者として、平常の精神状態を維持するのがやっとの思いだった。

一瞬にして人を、そして街を飲み込む…同じ日本人として生まれて震災に遭う人と遭わない人、同じ職場にいて助かる人と亡くなる人、 真面目に生きても不真面目に生きても、運命と言えばそれまでだが、あまりにも不条理な一面を考えさせられた。

あれから一年、今回の経験は我々に何を残してくれたのだろう。

先般、私事であったが、祝儀事があった。
その日の慶び以上にその日を迎えられた経緯を思い、過去の路頭に迷う混乱の日々を思うと、恥ずかしながら人前でもこみ上げるものがあった。多くの人に助けられた。社員にも助けられた。感謝致します。

今年の年頭に書いた4つの〝K〟

一つは「覚悟」の〝K〟
今の時代は何が有ってもおかしくない、震災しかり、経済危機しかり、人生しかり、一波乱も二波乱も…大激変が有ることを覚悟する。 覚悟とはあきらめでは無い。先が読めない分、起こり得る物事に万全の心がまえが必要であるという事だ。

そして「行動」の〝K〟
良いと思うことは即行動を起こす。リスクがあっても行動にはつき物だ。そのモノが万が一ダメであれば、そこからまた、新たな行動が生まれる。もっともっとフットワークを軽くリスクは恐れない。

そして「変わる」の〝K〟
変わる事を恐れることなくイノベーションを推し進めてまいります。
何もしないこと、昨日と同じ事は濁りの原因になる。常にイノベーション「変化」する事が濁りのない新鮮な組織を作る。世界は凄い勢いで変化している。

最後は「継続」の〝K〟です。
以外と出来そうで出来ないのがこの継続です、「継続は力なり」と言われる通り、毎日の瑣事にて続けなければいけない。 そしてゼストらしい事をもっともっと続けることだ。些細なことを続ける事が企業を続ける事に繋がります。

「覚悟」・「行動」・「変わる」・「継続」の〝K〟

その中の「覚悟」の〝K〟
『覚悟とはあきらめでは無い。先が読めない分、起こり得る物事に万全の心がまえが必要であるという事…』を書いている。
常に何かを向かい入れる心の覚悟を持つことが、起こりえる現実に的確な判断を下せるものと思っています。

そして、人は生きている事が間違いなく、その人を強くしてくれる。
14時46分、多くの亡くなられた方々に、哀悼の意を表す。
今回の経験は、日本人にとって、間違いなく世界の模範となり、日本人を強くしてくれるだろう。

この日より、4つの〝K〟に一つ追加する。「感謝」だ。
今、生きている事に感謝する。