つぶれシロ

新入社員研修の中で
新社会人となる心得と合わせて、必ず このことは伝える。
それは「自分を追い詰めるほど無理をしてはいけない」こと
社長としてと言うより、お親心も含めて言い伝える。

覚えや動きが悪く、怒られても、それが当たり前と思え、
どうせ期待していないのだから、1年間は「怒られキャラ」か「おバカキャラ」でいなさい。…そうする事が一番楽だから。…と言い聞かす。

ちょうど2年前の4月に、自分のブログで
「ふさぎ虫」を書いたことがある。

壁に行き詰まり、この手の「病」に陥るものは、意外と、
‘自分を高く括る者’‘見栄のある者’‘プライドのある者’‘期待されている者’達で、真面目な者たちが多い。
列記した全ての者は、自分で自分のレベルを高いものに位置づけている。「見栄」や「プライド」も正にそうです。
安っぽい ちっぽけなプライドがあるから、人の批判が気になるし、馬鹿になれない。

そして‘期待されている者’と有りますが、実はこれは
「期待されていると思いこんで居る者」なのです。
“期待されている”と思い込みから、人に相談できない壁を作る。
傍目からみると些細な事でも 自分で自分の壁を築き追い詰める。

何年先輩であろうと、環境が変わったり、新しい部署になると、「今までの全てキャリアを捨てて一からの出直しをする覚悟。」が必要だろう。

そして、逆境にあったら 思い切った開き直りも必要だ。 分からないモノは分からない~と、馬鹿になることだ。馬鹿になれるものは馬鹿じゃない。

車の構造の中で“つぶれシロ”と言うものがある。これは衝突の時に衝撃を吸収して安全を保つ構造である。
人もこの“つぶれシロ”を持たなければならない。 壁にぶつかっても、ボデーは潰れるが身は安全で有り、ボデーは直ぐ治す事が出来る。

昨日…
GF配属の織○が、「西さん…この電話どうやってかけるの?」…と、
思わず吹き出して…「おまえね~!!」と私は言ったが
(織○は社会人3年目にして、まさか…始めて電話使うの、と思う)
○奈は、笑いながら
「これで、やっと電話の掛け方がわかりました。(笑)」

でも これが、“つぶれシロ”だと思います。
そんなこと聞くのと言われても、馬鹿にされても、人に聞く相談すると言う事は大事なことで、一番素直な事なのです。
“つぶれシロ”と言うスペースが、先輩や他人の罵声を吸収してくれる。

世界はぐるぐる回っているのだ。朝のこない地域はないのだ。

苦しい状況もいつかは、その苦しさから脱して、その苦しさを素晴らしい体験だと言える時が必ず来る。私たちの人生は上手くできていて、人生に諦めない限り、いつかは、素晴らしい体験を用意しているものだ

お前の笑顔を待っている。